☆ゲット・ビッガー☆
「お母さん、ニンジンってまだ余ってますか?」
「あるけど...どうかしたの?」
「いや、ちょっと作りたいものがありまして...」
「どうぞ。好きに使っていいわよ。」
私は冷蔵庫からにんじんを取り出して、皮をむく。
そんな私を見て、お母さんがふっと微笑んだ。
「どうかしたんですか?」
「いいえ。
あなたの手料理をお父さんの次に食べられる男の人が、まさかレオ君だとはな~っと思ってね。
お母さんすっかり、次はあなたの旦那さんだと思ってたわ。」
言われてみればそうだと、私は思った。
「美味しく作ってあげてね。」
そういってお母さんは台所から出て行った。
―――― 夕食後。
「ごちそうさまー!」
そういったレオ君が椅子から降りようとしたとき、
「ちょっと待って、レオ君。
今日は、お姉ちゃんが作ったデザートがあるの。」
「デザート?ぼく、食べたいっ!」
「じゃあ、ちょっと待っててね。」
そういった私は台所に向かい、冷蔵庫を開ける。
さっき作っておいたゼリーの容器を、お皿の上にひっくり返す。