☆ゲット・ビッガー☆
「はい、どうぞ。」
「ゼリーだ!美味しそう!!
いただきま~す。」
レオ君はスプーンを手に取り、ゼリーをぱくっと一口食べた。
「ん?
これ、みかんじゃない...」
そういったレオ君は、ゼリーをもう一口食べる。
そんなレオ君を見て、私はふっと微笑んだ。
「レオ君、それはね。
ニンジンのゼリーなんだよ。」
「えっ、ニンジン?!
でも、全然ニンジンじゃないよ?」
「それはね、たぶんハチミツのおかげなんだと思うよ。
このゼリーはね、昔、レオ君みたいにニンジンが嫌いだったお姉ちゃんに、おばあちゃんが作ってくれたゼリーなんだ。
どうかな。これなら、レオ君も食べられる?」
「うん、すっごくおいしいよ。
ありがとう、お姉ちゃん!」
ニコッと笑ったレオ君は、おいしそうにゼリーを食べ続けた。
(お母さんになった人の気持ちって、こんな感じなのかな...)
そんなレオ君の向かいの席で、両手で頬杖を突きながら見つめて思った私なのだった。