☆ゲット・ビッガー☆
「この道、俺の通学路なんだ。
で、今日、たまたま〔篠原〕って名札の家見つけて。
待ってたら来るかな~って思って待ってたら、ほんとに来た。」
「へ、へぇ~。」
(てか、私の事待っててお父さんみたいな知らないおっさん出てきたら、どうする気だよ!!)
私は一人、脳内で小田桐君にツッコミを入れる。
「どうしたの、日葵ちゃん?」
「ううん、なんでもない!」
(あなたにツッコミ入れとったんじゃ!!)
「そう?じゃあ、いこっか。」
そういって、私の手を掴む小田桐君。
ドキッ
(ギャァアアーーーーー!!!
私の、ファースト手つなぎがぁ~!!)
「ちょ、ちょ、ちょ、
ちょっと、待ってくださいな!」
それを聞いた小田桐君が、ぶっと吹き出した。
「なに、それ? ツッコミ?!
俺、ボケたつもりないんだけど。」
そういった小田桐君は、まだ手を離そうとしない。
頭の中が大混乱中の私は、自分の心臓のドキドキが手から伝わるんじゃないかと、必死に手を引き抜こうとする。