☆ゲット・ビッガー☆
「あ、これ?
これね、かっこいいおにいちゃんが持ってきてくれたの。
おねえちゃんにって。」
(小田桐君、届けてくれたんだ...)
お弁当箱を手に取ると、なんだかとても愛おしく思えた。
「おねえちゃん、何ニコニコしてるの?」
レオ君が、不思議そうに私を見つめる。
「ううん、なんでもない。
お姉ちゃん、これ洗ってくるから、そしたら積み木やろうね。」
「うん!」
そういって私はお弁当を持ち、台所に向かう。
「さてと...」
お弁当をバックから取り出したその時、何かの紙が床に落ちた。
「ん?」
拾ってみると、そこには
「おいしくいただきました。
ありがとう。 小田桐」
の文字が。
お弁当のふたを開けると、ご飯粒一粒ですらも残さず、キレイに食べられていた。
(ふふっ、かわいい。)
小田桐君がおいしそうに食べているのを考えただけで、笑みがこぼれた。
そしてふと、小田桐君が誰のお弁当も食べようとしなかったことを思い出した。
(小田桐君にとって、私は「特別」なのかな...)
そんなことを考えていると、なんだかすごく嬉しくなってきた。
「ありがとう、小田桐君。」
そう小さくつぶやいてしまった私は、きっともう、「恋」をしてしまっているのだろう。