☆ゲット・ビッガー☆
「いや、何でもないです!!」
キョトンとするお母さんをおいて、私は家中を走って探し回る。
(どこ?
どこに隠れてるの??)
すると、レオ君がチマチマと階段を降りてきた。
「レオ君っ!」
「あっ、おねえちゃん!」
私を見ると、レオ君は嬉しそうにニコッと笑った。
「レオ君、この前のお兄ちゃん見なかった?」
「このまえ?
えっと...カッコイイおにいちゃんのこと?」
「そうそう!!」
「ぼく、見てないよ?
えっ? おにいちゃん、遊びに来たの?!」
そういったレオ君は、目をキラキラと輝かせる。
「ううん、違うの。
見てないなら、いいんだ...」
(おっかしいなぁ...
確かに入ってくるの、見たんだけどなぁ~...)
家中探しても小田桐君の姿は見つからず、私は一人、首をかしげる。
「ねぇ、ねぇ、おねえちゃん!
ぼく、おねえちゃんの絵、描いたんだよっ!!」
そういいながら、レオ君が私のスカートのすそを引っ張る。
「あっ、う、うん。
...じゃあ、お姉ちゃん、着替えてくるね。」
謎が解けぬまま、私は階段を上る。
(私の幻覚か?
いやいや、そんなはずが...)
それから私の頭の中は、今日、目撃した小田桐君の姿が、頭について離れなかった。