☆ゲット・ビッガー☆



「...てか、かわいい。」




俺は、自分でも信じられないことを、無意識に口にしていた。




「えっ、なんか言った?」



「い、いや! 何でもない///」




俺は恥ずかしくなって、うつむいた。




(俺、何言ってんだよ...バカめ///)




日葵のギャップに「おっ。」とか、思ったことはある。

照れて赤くなった顔を見て、「おもしれぇな~。」と、思うこともあった。




 ―――― けど...




(なんだ、これ...

こんなの、初めてだ。)




緊張の時とは違う、胸の高鳴りを感じた。

俺は自分の胸に、そっと手を当てる。




(不思議な感じだ。

どうしたんだ、俺...。)





その時の俺には、分からなかった。

自分の手に感じた、その鼓動の意味が。








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