☆ゲット・ビッガー☆
「げっと・びっがー?」
「そう、ゲット・ビッガー。」
適当にシャツを羽織った小田桐君が、ふぁ~と眠そうにあくびをする。
さっさと説明を受けた私は、まだ少し頭が混乱していた。
(レオ君が小田桐君で、小田桐君がレオ君?)
わしゃわしゃと頭をかく向かい側の小田桐君を、私はじっと見つめる。
(言われてみれば...そうかも?)
どことなく、二人の雰囲気が似ているような気がした。
小田桐君の笑顔が無邪気なのは、レオ君の影響かもしれない。
「なんだよ。
疑ってんの?」
「いや、違うけど...
本当なのかな~みたいな。」
「やっぱ、疑ってんじゃん。」
そういった小田桐君は、テーブルに肘をついて、ため息をする。
「俺が夜中に侵入してきて、ベットに潜り込んだとでも?」
「いや、そういうんじゃなくて...」
答えに困った私は、仕方なくうつむく。
「...じゃあ、」
小田桐君はパッと私を見て、頬杖をついたまま、ニヤッと笑う。
「証明してやろうか?」
「...え?」
そういって手を伸ばした小田桐君の人差し指が、うつむいた私の顎をクイッと上げる。
真正面を向いた私の顔に、急接近する小田桐君の顔。
(な、なに?!)
自分の手の位置まで顔を近づけた小田桐君は、ピタッと止まって視線を合わせた。
「昨日のお風呂、気持ちよかった。」
小田桐君のその一言に、一時停止した私は、ボッと赤くなる。
そんな私に、ゆっくりと顔を近づける小田桐君。
じっと見つめていた小田桐君の瞳に、静かにおろされる瞼。
(キス、される...)
もう1センチの唇のキョリに、胸がドキドキと鳴り響く。