☆ゲット・ビッガー☆
私のかわいらしかったレオ君が、小田桐君プラスとなると、ずいぶんと生意気になってしまった。
「夕飯、早くしてよね。
おねーちゃん。」
そう、ワザとらしく「おねえちゃん」と呼ばれ、さらに私はムッとする。
「お、お姉ちゃんって呼ばないで!」
「じゃあ、日葵チャン?」
そんな私を面白がるミニ小田桐君にそう呼ばれても、なんだかビミョーなだけだ。
「それも嫌!」
さすがの小田桐君もこれほど私に否定されると、「はぁ~」とため息をついて、めんどくさそうな顔をする。
「んなら、日葵な。
俺のことは、レオの時はレオで、冬真んときは冬真でいいから。」
「えっ!ちょ...」
そういい終えたレオ君は、私の声は耳に入らなかったのように、さっさと台所から出て行ってしまった。
(わ、ワガママだな~...
てか『日葵』って、呼び捨て?!)
「そ、それは無いでしょ!!」
一人台所でわめく私に、リビングからレオ君の声が飛んでくる。
「ブツブツ言ってねぇで、早くしろよ日葵~。」
「なっ?!
わかってますっ!!」
トントンと野菜を切りながら、私の中の私が、大声で叫ぶのだった。
(こんな人、好きなわけあるかぁー!!)