☆ゲット・ビッガー☆



窓の外に手を伸ばした私は、溢れ出すムカムカをすべて、黒板消しにぶち込んだ。




(バカですって?!

せっかく人が気を使ったっていうのに、バカですって?!

ムカ、ムカ、ムカー!!!)




考えれば考えるほどムカついた私は、さらにボンッボンッと黒板消しを強くたたく。

チョークの粉が舞い上がり、教室に白い煙が侵入する。




「うっ、けむ...」




(私にバカといった罰よっ!

思い知るがいい!!)




嫌がる冬真君を見た私は、さらに強く叩き出す。




「フンッ、フンッ!!

...ケホ、ケホ。」




自分で叩き出したチョークの粉に、自分で咳ばんでしまっている私の背中を、急に何かが包みこむ。




「っ!///」




驚いて黒板消しを落としそうになる私の手に、冬真君の手が重なる。




「おっと、あぶね。」



「な、なに?!ちょっと...」



「そんなに強く叩いたら、けむいだろーが。

もっと優しく叩けよ。ほら、こうやって...」




そういって冬真君は、私の手の上に自分の手を重ねたまま、ポンポンと優しく叩きだす。

そんな冬真君にドキドキな私の目に、校庭で遊んでいる生徒の姿が映る。




「う、うん。わかった。

わかったから、もういいよ。ありがとう。///」



< 84 / 208 >

この作品をシェア

pagetop