☆ゲット・ビッガー☆
窓の外に手を伸ばした私は、溢れ出すムカムカをすべて、黒板消しにぶち込んだ。
(バカですって?!
せっかく人が気を使ったっていうのに、バカですって?!
ムカ、ムカ、ムカー!!!)
考えれば考えるほどムカついた私は、さらにボンッボンッと黒板消しを強くたたく。
チョークの粉が舞い上がり、教室に白い煙が侵入する。
「うっ、けむ...」
(私にバカといった罰よっ!
思い知るがいい!!)
嫌がる冬真君を見た私は、さらに強く叩き出す。
「フンッ、フンッ!!
...ケホ、ケホ。」
自分で叩き出したチョークの粉に、自分で咳ばんでしまっている私の背中を、急に何かが包みこむ。
「っ!///」
驚いて黒板消しを落としそうになる私の手に、冬真君の手が重なる。
「おっと、あぶね。」
「な、なに?!ちょっと...」
「そんなに強く叩いたら、けむいだろーが。
もっと優しく叩けよ。ほら、こうやって...」
そういって冬真君は、私の手の上に自分の手を重ねたまま、ポンポンと優しく叩きだす。
そんな冬真君にドキドキな私の目に、校庭で遊んでいる生徒の姿が映る。
「う、うん。わかった。
わかったから、もういいよ。ありがとう。///」