彼に惚れてはいけません

「誰にも話したことはなかったし、これからも話すつもりはなかった。でも、由衣には話そうって思う」

そう言って、私のお腹の肉をプニっとつまむ。

「ダイエットしなきゃね」

と私が重い空気を変えようとすると

「そのままでいいよ。俺は、由衣の心を好きになったから」

と、また名言をくれた。


今から何を話してくれるんだろう。

私には受け止めることができるだろうか。


今もまだ奥さんのことを愛している、なんて言葉を聞いたら私は泣いてしまう。


弥生ちゃんには絶対に勝ちたいけど、過去の人に勝てる気がしない。


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