彼に惚れてはいけません

「どうかしたか?」

目が合う。

どうしちゃったんだろう。

涙が溢れちゃう。

幸せすぎると涙が出ちゃうんだね。

「嬉しくて・・・・・・」

「そっか」

「吉野さんが、好きすぎて」

「ん?俺?あの教会じゃなくて?」


幻想的に光る教会やいろんな建造物。

ひとりで見るよりも、きっと何百倍も感動するね。

人を愛するってこと、今はっきりとわかった気がしたんだ。

このセーヌ川の上で。



自分が大好きなものを、どうしてもこの人と一緒に感じたいと思う。

私の好きなパリを、吉野さんも好きになってくれたことが何よりも嬉しくて・・・・・・

隣で、笑っていてくれることが、こんなにも私を幸せにしてくれるなんて。





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