彼に惚れてはいけません
夜空に花火が上がったようだった。
吉野さんの口から、衝撃的なワードが出た。
“結婚”!!!!!!!
「け、け、け・・・・・・結婚!?」
「今のプロポーズのつもりだったんだけど。もう1回言う。俺と、結婚しよう」
私は吉野さんの胸に顔を埋めて泣いた。
信じられないよぉ。
結婚してくれるなんて。
結婚したいってものすごくものすごく思ってたけど、まだ付き合ったばかりだし、吉野さんが考えてくれてるなんて思ってもなかったし。
「お前、泣きすぎ。明日言うつもりだったのに、由衣が愛してるなんて言うからさ」
「うぅぅぅうううう、嬉しいよぉ。吉野さぁん」
「そんなに俺を愛してるの?」
「うん、うんうん」
「俺も、負けないくらい愛してるよ」
セーヌ川の上でプロポーズした恋人達って、どれくらいいるんだろう。
私達は、もう一度キスをして、ぎゅっと手を握り合ったまま、美しい景色を見つめた。