彼に惚れてはいけません
愛してるってどういうことかわからなかったんだ。
好き、愛しい、大好きっていうのと、また違う感じ。
このパリに来て、愛してるって気持ちがわかったんだ。
同じように吉野さんも私を愛していてくれた。
この景色忘れないよね。
涙でキラキラ光るセーヌ川からの景色。
「俺、まだ早いかなって思ってた。でも、これだけ愛されて、俺も愛してて・・・・・・じゃあ、迷うことないなって思った」
紫色に光るエッフェル塔を見上げながら、ホテルに向かう。
「結婚はしないだろうって思ってた。もう傷付くのは嫌だった。だけど、由衣と一緒にいると俺の傷がどんどん消えてくんだよな。それに、こんなに合うふたりっていないと思う」
「私も思う。ぴったりハマるっていうか。全然違うんだけど、なんか合う」
「それって、エッチの話?」
とニヤける吉野さんのお尻を叩く。
「こらっ!」