彼に惚れてはいけません

「目じりのしわフェチってっ!!初めて聞いた~!!あ~、面白い。君、面白いな。そんな君なら、俺のいろんな部分のフェチになると思うよ」

ニヤリと笑った後、口元を指差す。

え?
何?とドキドキしていると吉野さんの口から出た言葉に絶句する。

「俺のよだれっ!!」

「もうっ!本当ですよ!二回もよだれ垂らしてましたよ。かっこいい顔してるのに、どうしてああいうところだけ抜けてるんですか」

ドサクサに紛れて、かっこいいとか言ってしまったが、聞き逃してくれているだろう。

「かっこいい?俺のこと、そんな風に思ってくれてたの?」

「いえ、あのそういうわけではないんですけど。あの・・・・・・日本人離れしたそのお顔立ちは、フランスに憧れている私としましては、なかなかの好みの顔でして」

かっこいい、よりももっとすごいことを言ってしまった。

「好みの顔?俺?こんな垂れ目なのに?あ、目じりのしわフェチだからか!じゃあ、お手拭で顔を拭くところも好きになってね」

にっこりかわいい微笑みで私をノックアウトする。


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