彼に惚れてはいけません
「吉野、今から客先行くけど、一緒に行けるか」
「大丈夫ですけど、何時に戻ります?」
「夕方までかかると思うな」
一瞬迷った顔をした吉野さんに、今度は私からのアイコンタクト。
いや、愛コンタクト。
大丈夫だよ、仕事だから行って来てね。
「わかりました」
吉野さんはそう言い、私を見つめて少し眉を下げた。
午後2時のカフェデートは、延期になってしまった。
でも、会えたからいいや。
仕事をしている吉野さんを見ることができた。
会社の中で、素敵な雰囲気を醸し出している吉野さんを見て、ますます好きだなって思ってしまった。