奇聞録三巡目
音楽室の後ろの壁に謎めいた四小節程の落書きがある。
五線譜に丁寧に音符が振ってある落書き。
大体頭のなかでわかる人なら鳴らせる事ができる。
試しにリコーダーで吹いてみた。
変なメロディーだった。
もう一度吹いてみた。
あれ?リコーダーがもう一本聞こえる気がする。
又吹いてみた。
さっきより鮮明に自分以外のリコーダーが聞こえる。
その後私は、リコーダーを口のなかに押し込まれて、息が出来なくなって気を失ったらしい。
お陰で舌と口の中にひどい怪我をした。
あれ以来、リコーダーが吹けなくなった。