奇聞録三巡目



夜、暑さに堪りかねて学校に侵入して、プールで泳いでいた。



懐中電灯で照らされた。


「こんな時間にこんな所で泳いでいたら駄目じゃないか!学校の生徒かい!?」



警備員に見つかり、ひどく怒られた。



帰宅し、翌朝学校から呼び出しの電話が来た。



仕方なく学校へ行く。



「君は昨夜学校のプールに来て泳いだらしいね。」


「はい。すいませんでした。」


「今はまだ現場検証中なんだけどね・・・。」



表を見ると、プールには沢山の警察が居た。



「昨晩、君が侵入して泳いでいた少し前に、近所の小学生が暴行を受けて殺害され、あのプールに投げ込まれたらしいのだよ。」


「犯人は捕まって居ないのだけれど、何か心当たりはないかい?」



どうやら、金網に付いた指紋から、私が疑わられているらしい。



昨夜の警備員とのやりとりについて私は話した。


「警備員なんて、雇って居ないんだよ。」



教師は私に言った。



色々と嫌疑を掛けられ、ようやく晴れて自宅に帰れる事になった。



くたくただ・・・。



自宅の玄関に誰かが立っている。



宅配の人だった。


伝票にサインする。



私宛の差出人が明記されていない宅配物を開けてみた。



新聞紙に何かが包まれていた。


開けてみると、子供の頭だった。



一緒に手紙が入っていた。



―死体を沈めたプールの水は美味しかったでしょう。―



遺体の一部が発見されていないと警察が言っていたのを思い出し、激しく嘔吐した。


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