ねがい
向井さんの声が聞こえて、身体がゆらゆらと揺れた感覚は覚えている。
冷えた身体が、ある時から温かくなり初めて……。
次に気付いた時には、私はベッドの上にいた。
部屋の中は真っ暗で、今が何時なのかも分からない。
枕元を見ると、携帯電話の端がチカチカと緑の光を放っている。
あれだけずぶ濡れになったのに……初めて防水の恩恵を受けた気がするよ。
でも……部屋の中がグルグル回る。
メールがあったのか、着信があったのかは分からないけど、酷い頭痛とめまいに、確認する気にならない。
「南部君と向井さんが……送ってくれたのかな」
そうだとしたら、私は二人に会わせる顔がない。
私に二回目の儀式をさせないように、二人がかりで協力してくれてたっていうのに。
隙をついて抜け出した私を、見捨てこそすれ、助けてくれたんだから。
目を覚まして間がないけど、幽霊も現れない。
大切な物を失ったから、もう付きまとう必要もなくなったのかな?
だとしたら、私は何を失ったのかな。
彩乃みたいに、身体が溶けてるってわけじゃなさそうだし。
一体何を失ってしまったのかが気になっていたけど。
あれこれと考えているうちに、気を失うように、再び眠りに就いた。
冷えた身体が、ある時から温かくなり初めて……。
次に気付いた時には、私はベッドの上にいた。
部屋の中は真っ暗で、今が何時なのかも分からない。
枕元を見ると、携帯電話の端がチカチカと緑の光を放っている。
あれだけずぶ濡れになったのに……初めて防水の恩恵を受けた気がするよ。
でも……部屋の中がグルグル回る。
メールがあったのか、着信があったのかは分からないけど、酷い頭痛とめまいに、確認する気にならない。
「南部君と向井さんが……送ってくれたのかな」
そうだとしたら、私は二人に会わせる顔がない。
私に二回目の儀式をさせないように、二人がかりで協力してくれてたっていうのに。
隙をついて抜け出した私を、見捨てこそすれ、助けてくれたんだから。
目を覚まして間がないけど、幽霊も現れない。
大切な物を失ったから、もう付きまとう必要もなくなったのかな?
だとしたら、私は何を失ったのかな。
彩乃みたいに、身体が溶けてるってわけじゃなさそうだし。
一体何を失ってしまったのかが気になっていたけど。
あれこれと考えているうちに、気を失うように、再び眠りに就いた。