ねがい
二限目の授業が終わり、休み時間になってすぐに後ろを振り返った私は、南部君に尋ねた。


「二度目は……二度目の願い事は必ず失敗するって本当!?」


「えっ!あ、うん。紙に書いた通りなんだけど、成功したって聞いたことがないよ」


南部君の返事を聞いて、私は頭の中が真っ白になるという感覚に襲われた。


「そ、そう……」


と、一言呟いて椅子に座った。


どうすれば良いんだろう。


彩乃は昨日、確かに願いを叶えるって言っていた。


19時19分、音楽室の前で……。


もしかして、廊下の照明が消えていたのはそのせい?


因果関係は不明だけど、音楽室の前から生徒玄関までの全ての照明が点いていないなんて、普通では考えられないから。


どうしても関係があると思ってしまう。


「も、森川さん?どうしたの?大丈夫?」


私の事を心配して、声を掛けてくれるけど……私よりも彩乃の方が心配だ。


「どうしよう南部君!彩乃が……昨日二度目の願い事を叶えようとしたの!!南部君が聞いた話、作り話だよね!?」


「マジか……作り話だって言ってあげたいけど、俺も聞いた話だから分からないんだよ」


そう……だよね。


今の私には、南部君が聞いた話が嘘だと思うしかなかった。
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