ねがい
「い、一回目の願いを叶えたら、二回目はやらなきゃ良いんでしょ?だったら大丈夫だよ」


その根拠は全くないんだけどね。


もしかすると失敗するかもしれない……なんて考えなかった。


むしろ、彩乃を助ける為なら絶対に成功するとさえ思い始めていたから。


「菜々、その考えは弘志と同じだぞ!!あいつも最初は同じ事を言っていたんだ!!」


心配そうに私の肩を掴んで、何とか辞めさせようとする向井さん。


「そうだよ森川さん!失敗したらどうなるか……山中さんを見ただろ!?」


南部君も私を心配してくれている。


こんな事がなければ、私だって関わろうとは思わなかったけど、彩乃が願いを叶えた時から、私はすでに巻き込まれていたのかもしれない。


夜中に何度も助けを求めて電話を掛けてきたのを、鬱陶しいと思って無情にも電源を切ってしまった。


それが心のどこかに引っ掛かっていて、私がやらなきゃって想いに変わったのだ。


「本当に一回だけ。二回目は絶対にやらないから大丈夫!」


強い口調で、二人に笑い掛けてみたけど……。








「いや、ダメだって!」










二人と別れる直前まで大丈夫だと言い続けたけど、二人とも、どうしても納得はしてくれなかった。
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