ねがい
……誰かに見られてるような気がする。
どこから……と言うよりは、色んな所から。
階段の下、上、横の壁からもそんな視線を感じる。
「やめてよ……まだ音楽室にも到着していないのに」
気のせいだと思いたい。
私が今からおまじないをしようとしているから、必要以上に怯えているのだと。
一歩、また一歩と階段を上るたび、背筋を冷たい手で撫でられているようで、身震いが止まらない。
こんな状態で、本当に彩乃や弘志さんは幽霊に話し続けたの?
ここまで来て何だけど……私は自信が持てない。
彩乃を助けたいという想いがなければ、今すぐにでも引き返したいと思うくらいだ。
それでも、何とか到着した三階。
後一分で音楽室の前に行かなきゃならないけど、十分間に合う時間だ。
廊下に出て、突き当たりにある音楽室に向かって歩いていると、窓に映る自分の姿に目が行った。
やだなあ。
こんな事をしてるのに、自分の姿が映るなんて。
さっきの見られてる感覚は、気のせいで済むかもしれないけど、もしも何か見てしまったらと考えると、気のせいでは済まないから。
慌てて視線を音楽室の方に戻した時。
私は見てしまった。
音楽室の前で、私に背を向けて立つ人を。
どこから……と言うよりは、色んな所から。
階段の下、上、横の壁からもそんな視線を感じる。
「やめてよ……まだ音楽室にも到着していないのに」
気のせいだと思いたい。
私が今からおまじないをしようとしているから、必要以上に怯えているのだと。
一歩、また一歩と階段を上るたび、背筋を冷たい手で撫でられているようで、身震いが止まらない。
こんな状態で、本当に彩乃や弘志さんは幽霊に話し続けたの?
ここまで来て何だけど……私は自信が持てない。
彩乃を助けたいという想いがなければ、今すぐにでも引き返したいと思うくらいだ。
それでも、何とか到着した三階。
後一分で音楽室の前に行かなきゃならないけど、十分間に合う時間だ。
廊下に出て、突き当たりにある音楽室に向かって歩いていると、窓に映る自分の姿に目が行った。
やだなあ。
こんな事をしてるのに、自分の姿が映るなんて。
さっきの見られてる感覚は、気のせいで済むかもしれないけど、もしも何か見てしまったらと考えると、気のせいでは済まないから。
慌てて視線を音楽室の方に戻した時。
私は見てしまった。
音楽室の前で、私に背を向けて立つ人を。