青空の下月夜に舞う 2
雄大に掴まれた手首は熱くて痛みが走る。

寝室に入り、無理矢理押し倒されると、Tシャツを捲り上げ、指が。舌が。体を這う。




「何の跡もない、な」



チクリ。谷間近くの左胸に痛みが走る。


雄大の印に、体が跳ねた。

揺れる視界は既に見慣れたもので。


最中に呟く言葉が、私をまた闇に落とす。
その度に逃げられないと。再確認。


目尻から溢れた涙を舐めた雄大は、妖艶に笑う。



「もっと鳴いて、麻衣」


鳴いて、泣いて、鳴いて、泣いて。

シーツを握りしめ、唇を噛む。


そうすれば私の手のひらを握り、雄大の唇が私の口を抉じ開ける。


拒否出来ない、と知っているから。
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