青空の下月夜に舞う 2
私が黙り混む事数秒。
お父さんが、再び口を開く。
『お母さんが、な。少し調子がいいんだよ』
「……」
『だから、ほら。な?久しぶりに会いたいし……麻衣が都合がいい日でいいんだよ?』
「……」
『家族揃って食事に行くのは、どこの家庭でもやってるんだから。別に重く考えなくていい』
そう。
でもそれは普通であって、私には普通じゃない。
「お父さ、」
『絶対お母さんも喜ぶだろうから、な?』
唇を。噛んでいた。
痛みすら分からず、口に広がる鉄の味で我に返る。
履いているスニーカーに視線を落とし、自分を纏う生温い空気。
夏独特の、湿度も。
私の周りだけが冷えきっている様にも思えた。
お父さんが、再び口を開く。
『お母さんが、な。少し調子がいいんだよ』
「……」
『だから、ほら。な?久しぶりに会いたいし……麻衣が都合がいい日でいいんだよ?』
「……」
『家族揃って食事に行くのは、どこの家庭でもやってるんだから。別に重く考えなくていい』
そう。
でもそれは普通であって、私には普通じゃない。
「お父さ、」
『絶対お母さんも喜ぶだろうから、な?』
唇を。噛んでいた。
痛みすら分からず、口に広がる鉄の味で我に返る。
履いているスニーカーに視線を落とし、自分を纏う生温い空気。
夏独特の、湿度も。
私の周りだけが冷えきっている様にも思えた。