青空の下月夜に舞う 2

しばらく自分の感情を抑える事だけに集中した。


ここはファミレス。
さゆりさんや、裸女達が居るんだ。

私が暗い顔をして、みんなの雰囲気を壊すのは嫌だから。



深く、深呼吸を繰り返す。


頭に思い描くのは、昨夜の事。



楽しくて楽しくて。

みんなの暖かさが、凄く嬉しかったんだ。



ただひたすら。

自分に魔法をかけていく様に、楽しい事だけを考える。


そうして、五分程俯き、深呼吸を繰り返していると段々心臓のドキドキもなくなり、痛かった喉や鼻も、普段通りに戻っていく。


最後に大きく息を吐くと、私は再びファミレスのドアを潜った。



嫌な気分を、皆なら、吹き飛ばしてくれる。


無理矢理笑顔を作った私は、皆が居るテーブルに真っ直ぐ足を向けた。
< 109 / 308 >

この作品をシェア

pagetop