青空の下月夜に舞う 2
素直に乗ればいいのにって思うけど。

だって、何で裸女は前なの?


後ろ響しか居ないんだよ?嫌でも緊張しちゃうじゃん。



そんな私に、1つ。ため息を吐いた響が、車から降りて、私との距離を詰めてきた。


え。え。え。

まさか降りるなんて予想してなかったし。



私の真ん前に立った響は、見下ろす形で私を見つめると。


「……何があった」


私にしか聞こえない位の声で。
低い声が、私の頭に響いて来るような感覚。


「飯。俺食ってねえから付き合え」

「……は?!」


腕を掴まれて、半ば無理矢理立たされると。


「ちょ、ちょっ、は?えぇ?!」


車の中に強制連行。

端から見たら、誘拐だよある意味。

スライドドアが閉められると、私達を見て笑う慶太郎と裸女を尻目に、ゆっくり車が走り出した。
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