青空の下月夜に舞う 2

一番後ろの奥に座らせられた私の隣に響。

前のシートには誰も居ないし。


何で一番後ろ?

横目で響を見ると、私を見る訳ではなく、前を向いているだけ。


“何があった”って言葉の後、ご飯の話をしたのは、慶太郎達に聞こえる様に、カモフラージュかも。って。

少し自惚れちゃうじゃん。


私も響から視線を外し、前と言うより、斜め前。
窓の外側に頭を向けた。


……さっき掴まれた腕が熱い、かも。


どうしちゃったんだ私は。

いくら顔が綺麗だからって、それだけでドキドキするなんて事はないし。

いや、もうこの際顔のせいにしてしまおうか。


理由がないと、自分自身を納得させられない。

動揺しすぎて倒れそう。


こんなんじゃ、駄目だ。

私の気持ちの少しの変化を敏感に感じてくれた、響なら、と。

淡い期待を抱いてしまうじゃないか。
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