青空の下月夜に舞う 2
会話はなく、車が停車するまでの時間。

慶太郎と裸女の会話に、静かに流れる音楽が、少しずつ私の緊張を解いていく様だった。


「今日何人居んの?」

「飲み会兼ねてるから、30は居るんじゃね?」


裸女の問いに答える慶太郎。
着いた先には、黒い重そうな扉。


「じゃあな、響。車は戻しとけよ」

「ああ」


慶太郎がドアを開けると、続いて裸女も車から降り、「麻衣ちゃんまたね」と笑顔で手を振られた。

受け答えをした響は、私の隣から腰を上げ。
運転席に移動。


言葉を発する事なく、ハンドルを握り、元来た道を走り出した。


――無言の車内。

中が広いから、距離が有りすぎる。
かと言って助手席に座るのは違う気がして。
< 118 / 308 >

この作品をシェア

pagetop