青空の下月夜に舞う 2
「ホラ」


袋から出されたのは、私宛だと思われるかき氷系アイス。


「私の?」


響を見ると、瞼で頷かれた。
もう1つは、普通のお弁当で。アイスを見ると、溶けていなさそうな様子から、温めてないんだろう、と予想がつく。


私のアイスのために、ってのは。
……自惚れ過ぎか。


ソファーに私も腰を下ろし、アイスの上に乗せられたプラスチックのスプーンを開けて。


「……いただきます」


“ありがとう”の気持ちを込めて、口にした。

カップになっているアイスの蓋を開けると、響はテーブルの上にあるリモコンを手にして、テレビを付けた。


音のする方へ、視線がいくのは自然な事で。

テレビの中では、芸能人の壮絶な過去を再現VTRにしている感じだった。
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