青空の下月夜に舞う 2
家族
***
「じゃあ、また後でね」
しっかりと。私の目を見て、強く握ってくれた手。
玄関前で、振り返った裸女が、温かい手を離した。
外にはオレンジ色の夕日。
蝉が煩いくらいに鳴いていて、暑い夏を、余計暑くさせているような気さえする。
私もコクン、と頷き……
ゆっくり閉まる玄関から、バタンと音が室内に響くまで視線を外さなかった。
――――いよいよだ。
胸の前で拳を握って、軽く息を吐く。
緊張……しない訳がない。
部屋に戻り、付いたままのテレビを消すと、携帯を手にし、着信履歴から番号を探して、発信ボタンを押した。
「もしもし……お父さん?」
数コールで繋がった電話は、私に更なる緊張を走らせる。
「じゃあ、また後でね」
しっかりと。私の目を見て、強く握ってくれた手。
玄関前で、振り返った裸女が、温かい手を離した。
外にはオレンジ色の夕日。
蝉が煩いくらいに鳴いていて、暑い夏を、余計暑くさせているような気さえする。
私もコクン、と頷き……
ゆっくり閉まる玄関から、バタンと音が室内に響くまで視線を外さなかった。
――――いよいよだ。
胸の前で拳を握って、軽く息を吐く。
緊張……しない訳がない。
部屋に戻り、付いたままのテレビを消すと、携帯を手にし、着信履歴から番号を探して、発信ボタンを押した。
「もしもし……お父さん?」
数コールで繋がった電話は、私に更なる緊張を走らせる。