青空の下月夜に舞う 2
「すいません、予約していた原嶋ですが」
お父さんが店員に告げると、二階へと通された。
階段を一歩一歩上がる中、心臓が痛い位に高鳴る。
部屋の扉を開け、個室だと分かった時。
中から、楽しそうな知恵さんの笑い声が聞こえて。
お父さんが私を先に入れようと、立ち止まり、瞳で促される。
――――――緊張はピークに達した。
背中を押され、先に中に部屋に体を入れると、中の灯りが私を照らす。
その瞬間。
部屋は水を打った様に静まり返り、知恵さんの鋭い視線が、私を射抜いた。