青空の下月夜に舞う 2
四角のテーブル。
知恵さんの隣に、お父さん。
雄大の隣に、私が座る。



食べたくない、と言っていた知恵さんだったけど、お父さんと、雄大で、なんとかメニューを決め。


お父さんはパスタとみんなで食べようと、ピザを二枚。

雄大と私はカルボナーラのスープ付きを頼んだ。



メニューだけを見ると、本当にどこにでもある、食事。

きっと注文をしたものが届くまでだって、楽しい会話が繰り広げられるであろう、店の雰囲気なのに。


「雄大、勉強はしてるのか」

「平気よ。雄大くんは勉強しなくても出来る子だから。麻衣とは違って」

「お母さん……またそんな、」

「あら。本当の事でしょう?あ、私隣の葉山さんと明日ランチに行くのよ。嫌な思い出を消す為にここに来ようかしら」

「お母さん!娘だろう?何故もっと……」

「知恵さん、父さんも。お店だよ。」


お父さんと知恵さんの言い合いを、雄大が止めて、部屋が再び静まる。
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