青空の下月夜に舞う 2
視線を下げ、拳を膝の上でギュッと握り、爪を立てて、自らを痛みで沈静化させる。


「大学は全然余裕のレベルだから、父さんが気にする事ないよ」


さっきの話題を、雄大自ら引っ張り出し、お父さんと話を進めた。



雄大の学校の話は、私には当然分からない。
三人で進む“家族の会話”は、私が立ち入る隙なんてないのだ。


知恵さんは、不機嫌そうにしていたけど、料理が運ばれ、食事を進めていく中。



私を完全に無視する……家を出る前と、同じ状況で。


“普通の空気”を完成させた。


雄大は時折、私に話を振るけど、私が相槌を打てば言い様なもので。雄大の優しさに感謝はするけど、裏があるのを知っている私は、素直で居られなかった。
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