青空の下月夜に舞う 2

「食べてやろうか?それ」


私のお皿に視線を向け、再び私を見つめる漆黒の瞳。

どういった反応が正解なのか分からず、私はただ固まるだけ。


「そしたら、父さんも知恵さんも嫌な気分にならない。同じやつ食べただろ?皿。変えてやってもいいよ」



……正直、食べてくれるならかなり嬉しい。
苦しいのには変わりなく、胃は既に満腹を訴えていた。


「……そのかわり」


ニヤリと笑う。雄大の口許は三日月に歪んで。

ヒヤリと汗をかく。
基本的に、私にはずっと優しかった雄大は。



「キスして。今ここで」



交換条件を出す様になって……
それが来ると予想しだしたのは、いつから?
< 157 / 308 >

この作品をシェア

pagetop