青空の下月夜に舞う 2
目を丸め、雄大を見つめる。

楽しそうに笑みを浮かべる雄大と、顔を強張らせる私は本当に対照的だ。


「どうする……?」


私がどうするか、なんてきっと雄大は分かってる。分かってて楽しんでるんだ。


数秒の沈黙の後。


私は……――――



「ゆ、」


声を発すると同時に。
遠くから聞こえてきた革靴の音。

雄大が舌打ちをし、私の髪から指を離すと、扉は開かれた。


お父さんと知恵さんは、一緒に戻ってきて、再び部屋の空気が、張りつめる。



ギュッと、スカートの裾を握り、フォークを持つと、また私は食事を再開した。



「麻衣は今一番楽しい時期だよなぁ。父さんの高校生の時は……」


知恵さんは、もう会話には入ってこない。
お父さんの昔話を聞きながら、雄大とお父さんが話しているのを、私もただ聞いているだけ。
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