青空の下月夜に舞う 2
「ご馳走さまでした」
店の外に出て、お父さんに頭を下げた。
「いいんだよ。家族なんだから。遠慮するな、麻衣。お前は昔からそうだ」
申し訳なさそうに、眉を下げるお父さん。
そんな私達を尻目に、横を颯爽と歩き、車のドアを開けたのは、知恵さん。
ドン!!!
力強くドアを閉めただろう知恵さんに、思わず目を向けると、お父さんが今知恵さんが乗った助手席の扉を開ける。
「いい加減にしないか!」
声の大きさに驚き、肩をすくませる。
私に続いて店を出た雄大も、目を丸めていた。
「普通ならみんな家に帰るのに、麻衣はそうじゃないんだ!笑顔で手を振る事ぐらい出来ないのか!」
「普通なら、でしょう?家は違うんだから仕方ないじゃない!」