青空の下月夜に舞う 2
「だから、こうしてみんなで食事でも、と……」

「余計なお世話よ!家族の食事なんて頼んでないわ!」


ここは店の裏の駐車場だ。
普段なら、こんな風に外でお父さんが感情的ななることはないのに。

手先から。どんどん体温が冷たくなる。


「どうしてお前は、雄大は普通に親子になれるのに、実の娘は無下にするんだ!」

「私の娘よ!あなたには関係ないじゃない!」

「俺も麻衣は娘だと思ってる!」

「実際は上野の娘よ!あの鬼畜野郎の!!」



知恵さんの顔が赤い。
感情が高ぶってるのが分かる。

……私の、せいでっ。


そうは思うのに、ここで私が口を出しても、きっと知恵さんには逆効果だと知っているから。

体が、言葉が。冷えきった様に出てこない。
< 160 / 308 >

この作品をシェア

pagetop