青空の下月夜に舞う 2
申し訳なさそうに眉を下げたお父さんに、軽く手を振ると、踵を返し、駆け足でその場から去った。


早く。

早く。


次第に早まる足。



どれぐらい走っただろうか。
小さな公園を見つけると、そこに洞窟になっている滑り台が。


私は迷わずその中に入り、乱れた呼吸と、痛む胸を抑える。



私の吐息だけが、響いて耳障りこの上ない。
だけど、中々整う事はなくて。

そんな自分に、悔しくて涙が出た。



“お母さんなんて呼ばないで!!”



当時三歳の私は、その理由を聞くのが怖くて。
泣きながら頭を縦に必死に振った記憶が、今でも色褪せる事なく浮かぶ。



“泣くんじゃない!うるさい!!”



声を押し殺して泣く事が、当たり前の毎日だった。

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