青空の下月夜に舞う 2

その時。



鞄の中から、振動音が聞こえた。



あ。

電話……


私自分の事ばかりで、電話する事が頭から抜け落ちてた。



でも今は会話が出来る状態じゃない。


後から必ず電話するから……っ。

鞄から携帯を取り出す事も出来ずに、流れる涙を止める事もしなかった。




ごめんなさい……ごめんなさい……っ。


耳を押さえて、外からの音を自ら遮断した。


どうすれば、もっと強くなれるんだろう。

どうすれば、感情を無くす事が出来るんだろう。



幼い頃から幾度となく考えた結果は。




未だに出ないでいる。





  
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