青空の下月夜に舞う 2
呼吸も落ち着き、顔を拭うと、涙で少しベタついていた。
八月だ。
暑い筈なのに。
喉乾いたかも。
そう思うけど、腰は地に張り付いて離れない。
いや、起き上がる気力がないんだ。
家を出て、落ち着き出した心。
必死に蓋をしたのに、こんなにも簡単に、蓋は開いてしまうのか。
泣きすぎて、ボーッとする頭。
なのに……さっきの姿は、嫌でも昔を思い出す。
再び歪んだ唇。
への字に曲げて、視界が滲む。
もう堪える事はしなかった。
響き、頭に残る自分の泣き声も。
生まれなければよかったのか、なんて思わない。
ここに居なければ、こんな風に思う事もなかった。
だからもう一度だけ。
私に笑いかけて下さい。