青空の下月夜に舞う 2
真実を口にするとき
お母さんは。
毎日泣いていた。
「やめて!麻衣には手を出さないで!」
私の本当のお父さんの顔はもうハッキリと思い出せない。
思い出せるのは、お母さんがいつも泣いていて。
「お前“お母さん”だろ?子供泣かせんなよ」
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
殴って殴って。
ボロボロだったお母さんを救ったのが。
今のお父さんだと聞かされている。
保育園に私を預け、働いていたお母さん。
スーパーの店員とお客さんという関係。
お父さんは弁護士で。
お母さんが暴力を受けている事を聞き、守ってあげたい気持ちが生まれた、と聞かされている。
大変だったらしい、離婚協議の内容は、私は知らないけど、雄大は知っていた。
離婚はしたけど、怖がるお母さん。
本当のお父さんから逃げる様に引っ越しをして
、雄大の家に住む事になった。