青空の下月夜に舞う 2
「上野さん、大丈夫?」
「はい。大丈夫です!」
「ごめんね、無理言っちゃって」
「いえ!稼げるんで!」
パン屋の店長に冗談を飛ばし、笑顔で言い放つ。
慶太郎の家には、泊まらずに帰宅。
夕方からバイトの筈が、朝からに変わってしまい、寝ずに働いている。
体は眠いと訴えるけど、頭はスッキリしていた。
だって。
あんな事言われたら。冷静ではいられない。
口は悪いし、態度も悪いし。
……ちょっとだけ優しい、響。
好きなの、かも……だって。
立ち尽くしている私達に、もう一台のバイクが角を曲がって家に近付いて来た。
慶太郎だ。