青空の下月夜に舞う 2

「ほら、雨だろ」


その声に反応し、隣を見ると満足気に笑っていて、その顔が妙にムカついたから。


「えい」

「おい」


横腹を小突いてやったら、どうやらくすぐったくなかったらしく。

ただ凄まれただけ。


「くすぐったくないの?」

「ああ」

「えい」

「……いてぇ」

「えい。ほーら」


小突くだけじゃなく、ちょっともぞもぞさせてみても、悶える所か、全く上半身は動かない。

テレビ側に向けていた体を響の方へ向けて、両手を横腹に伸ばして、もぞもぞしてみた。


「こちょこちょこちょこちょ」

「ガキかよ……」


やっぱりきかないらしい。
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