青空の下月夜に舞う 2
え。だってちょっと凄くない?

そんな人が居るんだ。


「全く、くすぐったくないの?」

「もぞもぞはするけど、のたうち回る程じゃねえ」

「不感症?」

「……は?」


そうだ!だからだ!


「だから喧嘩するんでしょ?痛みも人より感覚薄かったり、恐怖もないんだ!」

「それって不感症になんのか?」

「意味は深くじゃなくて、広く浅く認識してみて。……うおっ!」

「何だよその声」


私が脇腹をくすぐったりしたもんだから、自然と二人の距離は詰まっていて。

不意に、響が私の横腹を人差し指で突いた。


「私はダメ。くすぐったいもん」

「……へぇ」

「な、何その顔。あ、腕離せ!」


意地悪そうな表情を浮かべ、瞳は楽しそうに細められる。
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