青空の下月夜に舞う 2
「あ」
「お」
いや、うちら間抜け過ぎるでしょ。
見えてきた赤い頭に、“あ”と言ったのは私。
反応したのは、一人で雑誌コーナーにしゃがんでいるクラスメートの祐也だ。
何してんの、って顔してたんだと思う。
でも祐也も、何してんだ、って顔。
「ぷふっ」
「笑うなよ……」
吹き出した私に、呆れた表情を浮かべた。
「バイト終わり?」
「うん。今日一日パン屋居た」
「土産は」
「ねえよ。私がパン屋じゃねえ」
「チッ。使えねえな」
そう言って立ち上がった。
いつもは、ふわふわしている髪の祐也だけど、今日は髪がヤル気無さそうに見える。
アイツいつもふわふわさせてんだな。普段はストレートじゃねえか。