青空の下月夜に舞う 2



「慶太郎くんに貸したままだから、今から取りに……あ。」



話している祐也の視線が動いて。

それに、釣られて私も祐也の視線の先を辿った。


コンビニには入らず、歩道脇に止まった車を見ている。


知り合い?
疑問に思い、再び祐也を見ようとした時。
車のパワーウィンドウが下がり、反射的に目を向けてしまった。




「バイト終わり?」



車に見覚えがある、と思った時にはもう遅くて。
ムシッとした風が頬を撫でる。

助手席から、目を三日月に曲げ微笑んで……



「話しかけんなよ。原嶋。気分が最悪だ」

「お前に話しかけてねえよ」




雄大が。
ホテルに迎えに来た車と同じだったのに。
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