青空の下月夜に舞う 2
「おい。早くしろ」
じゃれあう私達に届いた声。
助手席の窓が空いていて、ワゴン車から聞こえた声に、目を丸めた。
「めっずらし~。何、パシられてんの?美咲に」
一番に反応したのはさゆりさんで。
スライドドアを開けながら、乗り込む後ろ姿の端。
私の視界に捕らえたのは……響だった。
会うのはあの日以来。
体に緊張が走る。
どんな顔したらいい……?
解れていた頬は一気に強張り、私と響の視線が重なる。
直ぐに反らしたのは私。
俯いて、「失礼します」と呟きながら車内に足を踏み入れる。