青空の下月夜に舞う 2
助手席には誰も乗らず。
五人で後ろに座った。


「タクシーかよ……」


ぼそりと呟いたのは響。

そんな響に話しかけたのは、さゆりさんで。


「響走らねえの?」

「走ってる」

「意味が違うし。明らかにわざとだし」



窓から見る景色は当たり前に移り変わり。
大して興味もないくせに、窓の外ばかりを見ていた。

自然な流れで、響は会話から外れ、さゆりさんと裸女を中心に、私がわからない話へと発展。

益々窓の外に釘付けだ。



そして車を走らせる事約10分。

車はメイン通りから外れ、住宅街に入る。


何となく、さゆりさんの家かな、と思っていたら、やはり合っていたみたい。


「ババアいなきゃいいけどな~」


とさゆりさんが言った。
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