青空の下月夜に舞う 2

「わぁ……」


玄関を開けて、まず目に飛び込んだのは、脱ぎ捨てられたブラジャー。

そして、今、脱いだのかって思いたくなる服が、玄関からのびる廊下に三着はある。


「素直な反応だな」

笑いながら私の横顔を見たさゆりさん。


靴を脱ぐと、ずかずかと廊下を歩くさゆりさんの後を、リカさんとカナさんが続く。

慌てて私も靴を脱ぎ、「おじゃまします」と口にして上がると、廊下からすぐに階段があり、皆二階へと足を進める。


階段にも脱ぎ捨てた服達が、まるで私を出迎えてくれている様。


だけど、家の中からは物音はせず。

電気はさゆりさんが付けているし、一見誰も居ない様子だ。
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