青空の下月夜に舞う 2
「……んだよアイツ」
隣で呟く祐也。
私の背中には冷や汗が伝う。
まさか。
いや、見られている筈がない。
たったあれだけの言葉で私の心をかき乱す雄大は、私を知り尽くしている。
少しでも、後ろめたい気持ちがあれば瞬時に見抜く。
幼い頃からそうだった。いつだって雄大は……
「……っおい」
「!!」
「暑さでやられたか?ボーッとしてんな」
声をかけられハッとする。
大丈夫。きっとあれは私を試したんだ。
「そこまで送る。どうせ同じ方向だし」
祐也の言葉に甘えて一緒にアパート前まで歩いた。
バス停も家から近いし、と。
あちー、とか。
だりー、とか。
適当に相槌を打ち、アパート前で手を振り、別れた。