俺のSPはくの一女子高校生


「楓、気を付けろよ」

「はい」

「大丈夫。楓は俺が守るから」

「楓より弱いおまえが何言ってる」


親父が呆れたように肩をすくめる。

確かに、俺は楓より弱いさ。楓と勝負するけど、まったく歯が立たねえさ。

でも、そこら辺のやつらよりかは強いぞ。


「朔、そろそろ学校に行こう」

「あ、そうだな」


話している間に家を出る時間が迫っていた。

急いで朝食を食べたあと玄関に行けば、すでにそこには楓の姿がある。

でも、さっきまでと少し格好が違う。

さっきまで下ろされていた腰まである艶やかな黒髪は、三つ編みおさげになっていて、黒縁眼鏡を掛けている(眼鏡に度ははいっていないらしい)。

いわゆる地味子の姿だ。
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